パソコンのHDD(ハードディスク)を取り外したい!手順や注意点を徹底解説
パソコンのHDD(ハードディスク)を取り外す作業は、メンテナンスやアップグレードを行う際に必要になることがあります。
この記事では、HDDを取り外すための具体的な手順と注意点などを詳しく解説します。また、うまく取り外せない場合の対処方法もご紹介します。
適切な対応を知ることで、トラブルを未然に防げるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.パソコンのHDDを取り外す前の注意点
- 1.1.フォーマットは実施しない
- 1.2.HDDが濡れている場合は通電しない
- 1.3.分解は避ける
- 1.4.HDDのデータバックアップは必ずとっておく
- 2.HDDのデータバックアップ方法
- 3.パソコンのHDDの取り外し方
- 3.1.ノートパソコンのHDDの取り外し方
- 3.2.デスクトップパソコンのHDDの取り外し方
- 3.3.外付けHDDの取り外し方
- 4.パソコンのHDDを取り外した後はどうする?
- 4.1.廃棄する
- 4.2.外付けハードディスクとして利用する
- 4.3.メーカーやリサイクル業者に依頼する
- 5.パソコンのHDDが取り外せないときは業者に相談しよう
- 6.パソコンのHDD交換事例
- 7.パソコンのHDD交換・SSD換装はドスパラにお任せ
- 8.パソコンのHDDの取り外しは慎重に
パソコンのHDDを取り外す前の注意点
パソコンのHDDを取り外す前には、以下の4つの注意点を確認しておくことが大切です。
- HDDのフォーマットは実施しない
- HDDが濡れている場合は通電しない
- 分解は避ける
- HDDのデータバックアップは必ずとっておく
上記を気を付けることによって、トラブルを防ぎ、安全に作業を進めることができます。
フォーマットは実施しない
HDDを取り外す際にフォーマットを行うと、保存していたデータがすべて消えてしまう可能性があります。データを保護するため、HDD内のデータのバックアップは事前に完了させておきましょう。
フォーマットを避けることで、大切なデータを失うリスクを回避し、取り外し作業を安全に進めることができます。
HDDが濡れている場合は通電しない
HDDが濡れている場合、通電してはいけません。通電すると、基板や配線がショートし、保存しているデータが消えてしまう可能性があります。
電気が水を介して不適切に流れることでショートが発生し、HDD自体が故障するリスクが高まります。その結果、データの回復が非常に難しくなるのです。
濡れている場合や水漏れが見つかった場合は、自己判断で通電を試みず、速やかに修理業者に依頼しましょう。
分解は避ける
HDDを取り外す際、パソコンを分解してしまうと傷が付いて使用できなくなる可能性があるので、できる限り分解は避けましょう。
以下に、分解時の失敗例を4つご紹介します。
- HDDの落下:ハードディスクを落下させ、データが消失する
- ネジの紛失:取り外したネジをなくしてしまい、元通りに組み立てられない
- パーツの破損:部品に過剰な力をかけて破損させる
- 静電気によるデータ消失:作業中に静電気が発生し、データが消える
HDDのデータバックアップは必ずとっておく
HDDを取り外す前に、必ずデータのバックアップをとりましょう。
交換作業中に誤って触れてはいけない場所に触れたり、傷付けたりする危険があります。万が一トラブルが起きると、すべてのデータが失われてしまう可能性があるので注意が必要です。
無事に交換が完了しても、新しいハードディスクが初期不良を起こすことも考えられます。バックアップソフトを使用して定期的にデータのバックアップを行い、万が一のトラブルに備えましょう。
HDDのデータバックアップ方法
HDDを交換する前に、必ずデータバックアップをとり、新しいHDDを用意しておきます。データバックアップは、HDD・SSD・DVD・USBメモリ・SDカード、クラウドストレージなどで対応可能です。使いやすい媒体を用意しておくと、スムーズに作業が進みます。
ただし、全データを破棄しても構わない場合は不要です。
データの移行には、手動でOSをインストールし直す「クリーンインストール」と、ソフトを使用する「クローン作成」の2つの方法があります。以下の表で、それぞれの特徴を紹介します。
データ移行方法 |
特徴 |
クリーンインストール |
手動でOSをインストールし、一から環境設定やアプリケーションの設定を行う |
クローン作成 |
ソフトを利用して、もともと使っていたハードディスクのクローンを作成しデータの移行を行う |
新しいHDDを用意する際は、回転数を考慮して選びます。回転数が速いHDDは価格が高くなりがちですが、処理も速くなります。
接続規格や価格も異なるため、改善目的や予算に応じたHDD/SSDを選びましょう。
パソコンのHDDの取り外し方
HDDを取り外す作業には、適切な準備と手順が求められます。ここでは、初心者でも理解しやすいように取り外しの基本的な流れや重要なポイントを解説します。
作業に不安がある場合は、プロに依頼することも検討してください。
また、SSDへの交換を検討している方は、下記の記事を参考にしてみてください。
パソコンのハードディスク(HDD)交換方法!費用や自分で交換する際の注意点も解説
ノートパソコンのHDDの取り外し方
ノートパソコンのHDDを取り外す際の手順は以下の通りです。
- パソコンをシャットダウンし、ACアダプタを外す
- 接続している周辺機器をすべて外す
- ドライバーを使って、パソコン底面のカバーを外す
- ハードディスクを固定しているマウンタのネジを外す
- ハードディスクをパソコンから取り出す
内部の部品は小さくて壊れやすいため、ネジやコネクタを外す際には無理な力を加えないように注意しましょう。また、HDD以外の部品も外さないと取り出しができないパソコンもあり、高度な分解技術が必要となるケースもあります。
特に、一部のミニノート・タブレットでは、HDDがオンボード(基盤に直接ハンダ付け)されているため取り外せません。フタを開けてもHDDが見当たらない場合は、オンボードの可能性が高いので注意が必要です。
デスクトップパソコンのHDDの取り外し方
デスクトップパソコンのHDDを取り外す際の手順は以下の通りです。
- パソコンをシャットダウンし、電源コードを抜く(電源スイッチがある場合はOFFにする)
- 接続している周辺機器をすべて外す
- マザーボード(緑色の基盤)が下になるよう、パソコン本体を寝かせる
- パソコン本体のケースを開ける(パソコンによってはネジを外す必要がある)
- HDDを固定しているマウンタのネジを外す
- HDDに接続されている配線を抜く
- HDDをパソコンから取り出す
HDDの配線を外す際は、本体に衝撃が加わらないよう、パソコン本体を安定した場所に置いてからゆっくりと引き抜きましょう。
ほとんどのデスクトップパソコンはケースカバーを取り外すことでHDDを取り出すことができます。ケースカバーに取っ手がついており、蓋を開けるようにケースカバーが開くタイプもあります。
また、液晶一体型も基本作業は同じです。パソコンによりネジの本数や大きさが異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
外付けHDDの取り外し方
外付けHDDを安全に取り外すには、「ハードウェアの安全な取り外し」機能を利用しましょう。データの読み書きが完了する前に取り外すことで、データが消失するなどの障害を防ぎます。
Windows 10 バージョン 1809以降では「Quick Remove(クイック取り外し)」機能が追加され、取り外しが容易になりました。しかし、データの読み書き中に取り外すと不具合が生じる可能性があるため、以下の手順を守ることが推奨されます。
- 外付けHDDを接続すると、タスクトレイに「ハードウェアの安全な取り出し」アイコンが表示される
- △マーク内に表示されている場合もあるので確認する
- 「ハードウェアの安全な取り外し」アイコンをクリックする
- 現在接続されているHDDが表示されるので、取り出したいHDDをクリックする
- 取り外し処理が実行される
アプリケーションで開いているファイルがある場合は取り外しが実行できないため、必ずファイルを閉じてから操作を行いましょう。接続機器への読み書きが完了する前に取り外すと、データが失われたり接続機器が故障したりする危険性があります。
パソコンのHDDを取り外した後はどうする?
パソコンのHDDを取り外した後、以下の3つの選択肢があります。
- 廃棄する
- 外付けハードディスクとして再利用する
- メーカーやリサイクル業者に依頼する
ここでは、特徴や注意点などを詳しく解説します。適切な方法を選ぶことで、安全にHDDを処理することができます。
廃棄する
不要となったHDDは、不燃ごみとして廃棄することが可能です。廃棄する際は、保存データの流出を防ぐため、データを確実に消去しておく必要があります。
エクスプローラーなどでの消去では不十分なため、HDD内部のプラッタを物理的に破壊するのが確実です。
破壊方法には、HDDの隙間から内部を破損させる、ドライバーを使ってプラッタを傷つける、ハンマーで叩く、ドリルで穴を開けるなどがあります。
破壊後は、HDDを自治体の規定に従って不燃ごみとして廃棄します。破壊せずに廃棄するとデータが復元される可能性があるため、必ず物理的に破壊してから廃棄することを推奨します。
外付けハードディスクとして利用する
不要になったHDDを外付けHDDとして再利用することができます。外付けHDDは、パソコンの外部に接続して使用するストレージデバイスであり、データのバックアップや追加のストレージとして非常に便利です。
再利用するには、まず専用の外付けHDDケースを購入し、取り外したHDDをケースに取り付けます。ケースをUSBケーブルなどでパソコンに接続すれば、外付けHDDとして利用可能です。データの持ち運びや異なるパソコン間でのデータ共有に役立ちます。
メーカーやリサイクル業者に依頼する
不要になったHDDの処分に不安がある方は、メーカーやリサイクル業者に依頼するのが安全です。専門的な方法で処理してもらえるため、データの流出を防ぐことができます。
メーカーやリサイクル業者は、適切な処分方法を熟知しており、環境にも配慮した処理を行います。個人での処分が難しい場合でも、業者に依頼することで確実にデータを消去し、安全に処分してもらうことが可能です。
<h2>パソコンのHDDが取り外せないときは業者に相談しよう</h2>
パソコンのHDDが取り外せないときは業者に相談しよう
パソコンのHDDを取り外すのが難しい場合や自信がない場合は、修理業者に依頼するのが最も安全で効率的です。以下に、業者に依頼するメリットを解説します。
- 修理が早い
- メーカー修理に比べて修理完了までの時間が短く、当日修理が可能な場合もある
- 他の修理箇所も併せて見てくれる
- パソコンの他の部分も点検し、必要に応じて修理や部品交換を行う
- コスト削減
- 修理業者は安価な互換製品を使用することが多く、修理費用を抑えられる
- データの保護
- メーカー修理ではHDDの初期化が行われることが多いですが、修理業者ではデータを保護しながら修理を行うため、データが消えるリスクが少ない
パソコンのHDD交換事例
パソコンのHDD交換は、性能向上やデータ保護のために必要な作業です。ここでは、具体的な交換事例を紹介し、交換の際の参考になる情報をお伝えします。
HDDをSSDにアップグレードした事例
東芝 dynabook T75 のノートパソコンのアップグレード依頼を受けました。正常に起動していますが、動作が遅くなっているため、HDDからSSDへの換装を希望されました。
SSDへの換装とWindowsの新規インストールを実施し、作業は滞りなく完了。起動速度は劇的に向上し、動作確認でも不具合がないことを確認しました。翌日にはパソコンを返却しています。
作業工賃 |
17,200円 |
パーツ代 |
12,800円 |
合計 |
30,000円 |
東芝ノートパソコンアップグレード、HDDをSSDにアップグレードしたい
ノートパソコンのHDDをSSDにアップグレードした事例
TOSHIBAノートパソコンの動作が遅いとのご相談を受け、HDDからSSDへの交換を希望されました。詳細点検の結果、HDDに故障はなく劣化していることが判明しました。
SSD(W.D Blue SA510 WDS500G3B0A 500GB)への換装とWindowsのインストールを行い、作業は無事完了。動作確認で問題がないことを確認し、元HDDはデータ取り出しが可能な状態で返却しました。
診断および作業工賃 |
23,180円 |
部品代(SSD) |
7,480円 |
合計 |
30,660円 |
TOSHIBA ノートパソコンアップグレード、HDD からSSDに交換
取り外したHDDの外付け化
ノートパソコンの修理を持ち込みでいただき、HDDの外付け化を依頼されました。外付け化には録画・バックアップ、データ取り出し、安全な処分の3つの方法がありますが、今回は録画・バックアップ用の外付け化をご希望でした。
作業前に動作確認を行い、HDDの劣化と速度低下を確認。HDDの外付け化を行い、動作確認とデータ確認を実施し、問題なく作業完了しました。
診断および作業工賃 |
4,000円 |
部品代(内訳:880円) |
880円 |
合計 |
4,880円
|
TOSHIBAノートパソコンアップグレード、HDDの外付け化
パソコンのHDD交換・SSD換装はドスパラにお任せ
パソコンのHDDの交換・SSD換装をお考えなら、ドスパラにお任せください。
ソフトウェアや設定変更による一時的な高速化ではなく、パソコン内部のパーツを高速な部品に交換します。ほぼすべてのパソコンが確実に速くなるでしょう。
新しいパソコンに買い換える場合、データの引越しが必要ですが、現在の環境のままパソコンを高速化できます。
Webから簡単に申し込みができ、自宅までパソコンを引き取りに伺います。最短3日で高速化して返送するため、手間なくスピーディに利用が可能です。
利用方法も豊富で、宅配便で送る「Web通常引き取りプラン」・梱包を任せる「Web梱包お任せプラン」・直接店頭に持ち込む「持ち込みプラン」の3種類があります。
ドスパラを利用してパソコンのパフォーマンスを大幅に向上させましょう。詳しくは下記のホームページををご覧ください。
パソコンのHDDの取り外しは慎重に
パソコンのHDDの取り外しは、正しい手順を守れば比較的難しくありません。しかし、データ復旧や交換などの用途によっては、専門知識が必要となるため、業者に依頼したほうが良いケースもあります。
データの安全性を確保したい場合や、物理的な故障が疑われる場合には、プロに依頼するのが安心です。自信がない場合は無理せず専門業者に相談することをおすすめします。